2019-04-01から1ヶ月間の記事一覧

第39回 「初めてのフィールド調査②」

トナカイとの出会い ウラルトさんと再会する機会は、初めてのフィールド調査で知り合ってからおよそ2年後の1997年7月中旬にやってきた。大興安嶺とオルグヤ村での本格的な調査を試みるべくホロンバイルを再訪した私に、ウラルトさんが同行を申し出てくれた…

第38回 「初めてのフィールド調査①」

フィールドワークの難しさ 1996年の夏8月から9月にかけて、かつて今西錦司たち人類学の大先達が旅した大興安嶺を訪れることになった。夏休みに入ってからもアルバイトに励んでお金もなんとか工面でき、いよいよ初めてのフィールドワークを待つばかりとなっ…

第37回 「フィールド調査の準備」

資料を集める 今西錦司『大興安嶺探検』を読んでからというもの、フィールド(調査地)への憧れは日に日に高まっていった。英語の読解力や理論的な知識が足らず、人類学的なフィールドワークの訓練も十分に受けていないことは自覚していたものの、とにかく自…

第36回 「民族誌を読む」

恵まれた研究環境 1996年、金沢大学文化人類学研究室修士課程には私を含め6人の学生が入学した。ひと学年上の金子さんと泳さん、博士課程の先輩方のほか学部生のうち何人かもよく研究室に来ており、研究室はいつも賑やかだった。集中してワープロとにらめっ…

Copyright © 2018 KOUBUNDOU Publishers Inc.All Rights Reserved.