2018-12-01から1ヶ月間の記事一覧

第24回 「仕事」

教壇に立つこと 大学卒業後には北京で就職することもできたが、大都会での暮らしには少し疲れていたし、やはり故郷に戻りたいという気持ちが決め手になり、結局は内モンゴルで働くことにした。当時の中国では、高等教育を受けた若者の就職先は政府機関によっ…

第23回 法治への道③「卒業」

故郷への自転車旅行 フランス語の女性教師ボワ先生は、しばしば学生寮に遊びにきてくれた。私も先生と安いビールを飲みながら他愛もない話をするのが大好きだった。ボワ先生の趣味は自転車旅行で、夏休みや冬休みの度に恋人と一緒に中国の色々な地域を旅して…

第22回 法治への道②「学問と読書」

大学3年目の春学期、新たに制定された民法(“民法通則”)*1と刑法“行政訴訟法”に関する特別講座を聴講したことがあった。大学の教員ではなく実務に携わる講師を招聘して開かれた講義だったため、実践的な内容には大いに刺激を受けた。それまでの授業で法律…

第21回 法治への道①「期待と疑問」

歴史遺産と法治への期待 1982年12月4日、中国では社会主義にもとづく憲法として4度目の憲法*1が施行された。新しい憲法では、大躍進や文化大革命というイデオロギー主導の政治運動がもたらした多くの不幸への反省から、法治理念に則った政府の設立、非暴力…

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